ご挨拶


大会長より

 

 

 

NPO法人口から食べる幸せを守る会

理事長 小山珠美

 拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

平素は当会に格別のご高配を賜り、心よりお礼申し上げます。このたび、NPO法人口から食べる幸せを守る会 第12回全国大会を開催する運びとなり、熊本桜十字病院との共催で、現地とWEB配信を組み合わせたハイブリッド方式を予定しております。

 

 当会は、口から食べることに困難を有した方々と、そのご家族への食べる幸せを届けたいという思いで2013年に開設し、相談受け入れ、実務支援者の輩出、ネットワークづくりなど11年間活動を継続してまいりました。毎年全国大会を開催し、今回が第12回目となります。

食べる支援の輪は広がりつつありますが、年々少子高齢化が加速し、人生の最期まで食べる楽しみを維持できなくなっています。点滴、経鼻胃管、胃ろう栄養などの人工栄養のみで寝たきりという方々も多く、ご本人やご家族の苦難は計り知れません。支援者もジレンマを感じながら食べる支援をしていますが、将来への道筋の模索が続いています。

 

 そこで、本大会のスローガンを「食卓は Well-beingの要 ~禁食からの脱却~」とし、くまもと森都心プラザにて開催します。口から食べる「幸せ」とは、栄養摂取という身体的健康や、精神的満足だけでなく、食卓という場を通じて家族や人々をつなぐ社会的満足をも意味します。食べることそのものが「幸せ」であり、その幸せを守ってくれているのが食卓です。家族と囲む食卓も、病室のトレイでの食事も食卓であり、その個々人にとっての「幸福時間」がより持続できるようインクルーシブな食支援が求められます。おいしく食べることは、人間としての権利であり、生きる根幹だからです。

そのためにも、まずは医療従事者による安易な禁食によって、その人にとっての「食べる幸せ」を奪ってないか洞察しなければなりません。また、漫然とした非経口栄養の持続や、不適切な食事介助なども食べる幸せを摘み取るということを真摯に受け止め、改善策を進める必要があります。 

 

 この4年間COVID-19の感染症が世界的に広がり、健康障害、行動制約などに苛まれてきました。悲惨な戦争も未だ繰り広げられています。そのような中、私たちはどんな社会にしたいのか?愛する家族や友人たちの幸せのためにどんなことをしてあげたいのか?多様性のある選択と安寧ある生活をするためにはどうすればよいのか?世界平和を祈りつつ、口から食べる幸せ時間をより持続できるための大会にしたいと考えております。

本大会開催にご理解とご賛同をいただき、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

敬具


副大会長より

 

 

 

桜十字病院

呼吸器内科医長 安田広樹

拝啓 皆様、ますますご活躍のこととお慶び申し上げます。

 今回、NPO法人口から食べる幸せを守る会と桜十字病院の共催で、第12回全国大会を開催することになりました。

当院では「口から食べるプロジェクト」として、他の医療機関などで口から食べることが難しいと判断された人に入院治療を行っており、既に300例ほどの治療経験があります。

 

その中で、医療従事者が「食べていい」と判断さえすれば、すぐにでも食べられるようになる人を少なからず経験しました。

それと同時に、当院の「口から食べるプロジェクト」には、関東や東北など様々な医療機関から見学に来られており、医療従事者の関心の高さも感じています。

 

そこで今回は、口から食べる活動に長年携わっている先生や、最近始めたばかりの先生、患者さんの家族など、様々な視点からの経験を語ってもらい、皆様が口から食べる活動のヒントを掴めるような大会にしたいと考えています。

 

 2016年の熊本地震で被害を受けた熊本城も復興が進んでいます。また近隣には阿蘇や天草などの観光地もたくさんあります。

オンラインは便利ですが、実際に顔を合わせて出来る交流には代えられないものがあると思います。皆様が熊本の現地に集まっていただくことを楽しみにしています。

敬具